Illustratorでデータが重く、作業スピードが遅いなんてことはありませんか？
データ重たい理由は、画像埋め込みをしていているからかもしれません。
作業効率化のためには、画像埋め込みとリンクの違いを把握することが大切です。
本記事では、Illustratorの画像埋め込みとリンクの違い・画像の解像度の最適化を解説します。
Illustratorの画像埋め込みとリンクの違いとは？
画像埋め込みとリンクのそれぞれにあるメリットとデメリット。
2つの特徴を活かして、作業時はリンクで入稿時は画像の埋め込みを利用すると作業が快適になります。
以下で詳しく解説します。
Illustratorの画像埋め込みはリンク切れを防ぐ
画像埋め込みとは、Illustratorの内部に、画像のデータも埋め込んでしまう方法。
画像埋め込みの手順は以下の通りです。
- メニュー＞配置
- 該当する画像を選択
- 配置ボタンを押す
画像埋め込みのメリットとデメリットは以下の通りです。
【画像埋め込みのメリット】
・リンク先のファイルや名前を管理する手間がなくなり、リンク切れエラーを防ぐ
【画像埋め込みのデメリット】
・埋め込んだ画像を加工できず、加工したものを再度配置する必要がある
・画像情報がIllustrator内部にあるため作業が重くなる
Illustratorの画像リンクは作業の動作を軽くできる
画像リンクとは、Illustrator上に画像の情報を置かずにIllustrator外部のフォルダなどに作成すること。
画像の配置はIllustratorでします。
画像リンクの手順は以下の通りです。
- メニューバー「ファイル」
- 「配置」
- 該当する画像を選択
- リンクにチェック
- 配置ボタンを押す
画像リンクで作業することには以下のメリットとデメリットがあります。
【画像リンクのメリット】
・画像の情報がIllustratorの外部にあるので、作業が軽くなる
【画像リンクのデメリット】
・リンク先の画像のファイル名の変更や画像の置き場所を変更してしまうとエラーが出る
・画像を入稿先に送り忘れるとエラーになる
画像リンクは動作が軽くなりますが、ファイルに関する情報を変更してしまうとエラーが出やすいといった特徴があります。
注意点：リンクと画像埋め込みを使い分けてトラブルを防止
画像埋め込みとリンクの特徴を利用して、作業中と入稿時の使い分けをしましょう。
作業時はリンク、入稿時は埋め込みと使い分けると、よくあるトラブルを避けることができます。
実際のトラブル回避例のパターンは以下です。
【作業中】
リンク画像を使用しておくと、作業がスムーズ。
加工が必要なときは外部のファイルにある画像データからPhotoshopなどで調整してください。
【入稿時】
リンク画像にしていた画像を全て埋め込みにして提出しましょう。
ファイル位置やファイル名の変更をしてもリンクエラーは出ません。
取引時のトラブル防止に効果的です。
illustrator上の画像が埋め込みかリンクになっているかの確認方法
配置してしまった画像が、埋め込みかリンクの状態かを確認する方法です。
以下の通りにまずはリンクパネルを開いてください。
- メニューバー「ウインドウ」
- 「リンク」
- リンクパネルを確認
リンクパネルを開いたら、リンクのマークがついている画像はリンクになっています。
リンクマークがついていなければ埋め込みです。
変更したい場合は、以下の手順で完了します。
【画像埋め込みにしたい場合】
リンクタブの右上のオプションを開く→「画像の埋め込み」
画像埋め込みでもリンクでも、適切な解像度が必要！【Illustrator解像度の基礎知識】
Illustratorでの作業や入稿するときに重要なのが解像度。
解像度の詳細と適切な設定が必要な理由を説明します。
画像の解像度とは画像の粗さを表す数値【最適数値一覧表】
画像の解像度とは画像の粗さを表す数値のことで、”dpi”や”ppi”という単位があります。
画像そのものの解像度は”ppi”、印刷の出力時の解像度を”dpi”と呼びます。
Illustratorではdpiが一般的な呼び方です。
適切な解像度は、以下の表を参照してください。
【解像度一覧表】
| 71～96dpi | Web用解像度 |
| 200dpi | 離れて見るポスターなどは、印刷用でも可 |
| 350～400dpi | 印刷用解像度 |
画像の解像度はIllustratorで入稿するときのトラブルにつながる！
画像の解像度が高すぎるとWebの画像の読み込みが遅くなり、閲覧しにくくなっていまいます。
一方、印刷物では解像度が低すぎると画像が粗くなり、きれいに印刷することができません。
上記で紹介した解像度を参考に適切な解像度を保つようにしましょう。
Illustdratorでの画像サイズと解像度の確認方法
トラブルを防止するために、以下の方法で画像埋め込みが適切な解像度か確認しておきましょう。
- メニューバー「ウインドウ」→「ドキュメント情報/書類情報」
- ドキュメント情報パネルの右上のオプションメニューをクリック
- 「埋め込まれた画像」→「解像度」一覧の値を確認
Illustratorで画像埋め込みの解像度を変更する3つの方法
入稿するときのトラブル防止のために、適切な解像度にして画像埋め込みをすることをおすすめしました。
では実際に、どのような手順で作業すれば良いのでしょうか？
手順と作業方法をみていきましょう。
方法1.【埋め込み画像】Illustratorで解像度を変更して書き出す
Illustratorは画像データを書き出すときに、解像度を設定できます。
埋め込みをしてしまった画像は一度書き出して、外部に保存して再配置しましょう。
- メニュー「ファイル」→「書き出し」→「書き出し形式」
- ファイル形式をJPEGに設定するとJPEGオプションが開く
- 解像度を設定して「OK」をクリック
方法2.【埋め込み画像】Illustrator上にすでに配置した画像はラスタライズ
ラスタライズすることで解像度を変更することができます。
※ラスタライズとは、点と線で構成されたものを、ピクセル構成の「ラスター形式」への変換処理のこと。データが軽量化され、ブラシや消しゴムツールなどで直接加工ができるようになり便利です。
ラスタライズの方法は以下です。
- メニューバー「効果」→「ラスタライズ」
- 「ラスタライズ」のボックスが表示されるので、解像度を指定して「OK」をクリック
また、この方法で複数の画像の解像度を変更することもできます。
上記の手順の前に、”Shftキーを押しながら対象の画像を全て選択”してください。
この方法であれば、すでに何枚か配置してしまったあとでも変更可能です。
Illustratorの画像埋め込みの解像度が変更できないときの2つの対処法
Illustratorの画像埋め込みの解像度が変更できない際は、以下2点を確認しましょう。
- Illustratorのレイヤーにロックがかかっているかどうか
- Illustratorのレイヤーが非表示になっているかどうか
各項目の確認方法と対処法をみていきましょう。
対処法1.Illustratorのレイヤーにロックがかかっている
解像度を変更したい画像のレイヤーにロックがかかっていると、変更ができません。
レイヤーパネル上のロックマークを外してから、解像度を変更しましょう。
対処法2.Illustratorのレイヤーが非表示になっている
解像度を変更したい画像のレイヤーが非表示になっていると、変更ができません。
該当するレイヤーパネルの左部分を押して目マークを表示させてから、解像度を変更しましょう。
【要チェック】Illustratorの画像は拡大・縮小はリンクを使うべき2つの理由
Illustrator上で画像の大きさを変更することはよくありますよね。
しかし埋め込み画像で大きさを変更してしまうと、解像度やデータ容量に悪影響を及ぼすことも。
トラブルを避けるために画像の拡大・縮小はリンクでした方がよいでしょう。
本章では、拡大・縮小をリンクですべき理由と対策を紹介します。
理由1.illustrator上での拡大・縮小は画像劣化の原因になる
過度に画像の拡大・縮小をしてしまうと、画像劣化の原因になります。
画像埋め込みでの画像の拡大は70%〜130%程度にとどめておくとよいでしょう。
理由2.Illustrator上での拡大・縮小は画像のデータ容量が大きくなる
Illustrator作業中に保存をしたいけれど、時間がかかるときはありませんか？
画像の拡大・縮小の繰り返しによって、データが重くなってしまっているかもしれません。
対策:Illustrator上では画像埋め込みで拡大縮小せず、リンクを利用する
Illustratorでの画像の拡大・縮小は微調整し、リンク先の元の画像をPhotoshopなどで編集しましょう。
そうすることで、画像劣化やデータ容量が大きくなってしまうことを防ぐことができます。
Illustratorの「画像埋め込みとリンクの使い分け」「解像度の最適化」は簡単！より学びたい方へ
今回の記事では、Illustratorの画像埋め込みとリンクの特徴・画像解像度の基礎知識と最適化方法を解説しました。
画像の解像度の仕組みを理解すれば、Illustratorで画像の解像度の最適化は簡単にできます。
画像の埋め込みとリンクの特徴のポイントは以下です。
- 画像の埋め込みは入稿時にリンク切れを防ぐ
- 画像のリンクは作業データを軽くする
- 作業時と入稿時で画像の埋め込みとリンクを使いわける
画像の最適化方法のポイントは、以下3つあります。
- 入稿時の画像埋め込み時に解像度変更
- 解像度が変更できないときはレイヤーパネルをチェック
- Illustrator上での拡大・縮小はリンクを使う
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