2019年の動画広告市場規模は2,312億円、2021年の動画広告市場規模は4,205億円と、近年高い成長率を誇っています。
また、株式会社サイバーエージェントが公表した「動画広告市場規模推計・予測(デバイス別)[2017-2024年]」によると2024年には4,957億円へと成長する見込みであり今後も動画広告市場は拡大する可能性が高いです。
今回は動画広告市場が拡大している要因や今後の市場動向、また動画マーケティングで成功するポイントについて詳しく紹介します。
日本の動画広告市場
2021年のコロナ禍をきっかけに、デジタル化がさまざまな企業で進んでおり、インストリーム広告(動画コンテンツの間に挿入されて表示される広告)市場も高い水準で成長を遂げています。
動画広告市場においてはインストリーム動画広告を中心に需要が大きく増加しており、多くの広告主が動画広告を出稿しています。
株式会社サイバーエージェントによると、日本の動画広告市場は2025年には1兆円を突破する見込みであり、今後もさらなる市場拡大に期待ができるでしょう。
引用:https://webtan.impress.co.jp/n/2022/03/29/42528
動画広告市場が拡大している要因
2020年以降、新型コロナウイルスの影響により、外出自粛や行動制限など巣ごもり需要に伴う動画コンテンツの視聴時間は増加しています。
また、動画を使ったコミュニケーションの活性化も動画広告市場が拡大している一つの要因といえるでしょう。
例えば、TVerなどの放送局系列の動画配信サイトやYouTube、TikTokなどの動画ソーシャルメディアの需要が高まっている点も要因になると考えられます。
実際にオンデマンド系の動画共有サービスの利用率は2019年〜2020年で10%以上も伸びています。利用率の高い動画サービスは「YouTube」(85.2%)、「Amazon プライムビデオ」(29.7%)、「niconico」(14.9%)です。
動画共有系では、「YouTube」の利用率が高く、前回令和元年度調査結果と比較すると、全年代及び各年代 で増加し、10 代、20 代、30 代及び 40 代で 90%超える高い利用率となっている。
「TikTok」は、前回令和元年度調査結果と比較すると、全年代及び各年代で増加しており 10 代では 50%を 超える利用率となっている。
参考:総務省「令和2年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
この中でもYouTubeはどの年代からも圧倒的に利用率が高く、動画広告の運用においては注目すべき点といえるでしょう。
また、スマホの普及率が高まったことも影響して、スマートフォン動画広告需要も高まっています。
「2020年時点でのスマートフォン動画広告需要は2,635億円にのぼり、動画広告需要全体の89%を占める見込みです。(2019年度比119%の成長)
今後もスマートフォン動画広告が動画広告需要全体の成長をけん引し、2024年には6,396億円に達すると予想されます。」
参考:サイバーエージェント、2020年国内動画広告の市場調査を発表 | 株式会社サイバーエージェント
今後の動画広告市場はどうなる?
近年大きな成長を遂げている動画広告市場ですが、今後も大きな飛躍が予測されています。
主な理由は以下の3点です。
- 5G導入開始による影響
- 縦型フォーマットの増加
- SNSの利用率の向上
それでは、それぞれ解説していきます。
5G導入開始による影響
2019年の4月から5G電波の割り当てが開始され、本格的なサービスがスタートしました。
5Gはデータ通信量を4Gの1,000倍とし、通信速度もこれまでの100倍となるため、従来の4G通信速度では難しい、動画広告の配信がキレイになりました。
この5Gの解禁により、さらに超高速・大容量の通信が可能になるため動画市場および動画広告市場はさらに成長を遂げると予測できます。
縦型フォーマットの増加
YouTubeやTikTokなどの動画コンテンツの普及により、縦型専用のフォーマットの増加も予測されています。
YouTubeではショート動画、さらにはLINE VOOMの縦型動画などのサービスが普及しています。
このような縦型動画広告が普及していけば、従来とは異なるアプローチが可能なため新しい手法や訴求の方法が浸透し、市場がさらに拡大する可能性は高いです。
SNSの利用率の向上
SNSの利用向上も今後の動画広告市場を加速させる要因の一つです。
SNSは2015年以降からどんどん活用されはじめ、SNS上に流通している動画の量も格段に上がっています。
それに伴い、動画広告サービスの多様化が増してさまざまなサービスが広告プランを展開しています。
動画広告の有用性
続いて、動画広告の有効性について解説します。
- 短時間で多くの情報を伝えられる
- CVを獲得しやすい
- SNSとの親和性が高い
それでは、それぞれ確認していきましょう。
短時間で多くの情報を伝えられる
動画広告は短時間で多くの情報を伝えられるメリットがあります。
テキストや写真の場合は、長文で説明を加える必要があったり、分かりやすく文章を伝える能力が必要になります。
1分で読み終わる文章の場合、動画広告で同じ内容を伝えると10秒程度で伝えることができるため、短時間で多くの情報を伝えることができます。
最近はSNSでショートムービーが流行していることもあり、短い時間で情報を伝えられる動画広告はスマホやSNSを頻繁に利用する若年層ともマッチしていると言えるでしょう。
CVを獲得しやすい
動画を利用した広告はプロダクトに対する理解が70%以上高まり、動画を見た後の方が商品の購入率が64%もアップしたという統計データがあります。
参考:https://crowdworks.jp/times/marketing/2167/
他にも、アウディー社は「スキップ」の可能性をあらかじめ見込んだ5秒完結の動画で視聴率100%を達成しています。
株式会社ダスキンは問合せ件数が前月比で倍増し、問い合わせ内容がサービス利用に繋がる有益なものになったという実績もあります。
このように、動画広告を採用することで多くの企業がCV獲得やブランドや会社の認知度向上などに成功しています。
SNSとの親和性が高い
動画広告はSNSとの親和性が高い点も魅力です。
ユーザーの興味関心を惹く動画はSNS上でシェアされ、多くのユーザーに拡散されています。
また、SNS上でインフルエンサーやYouTuberを活用したキャンペーンを行うことで、より拡散性を狙えます。
実際にSNSを活用している企業は多く、CV率のアップや認知度向上の目的があるのであれば、SNSを有効活用すると良いでしょう。
動画広告を使ったマーケティングで成功するためには
続いて、動画広告を使ったマーケティングで成功するためのコツを紹介します。
- ターゲットと目標を明確にする
- クリエイティブを複数パターン使う
- 改善を繰り返す
それでは、それぞれ確認していきましょう。
ターゲットと目標を明確にする
動画広告に限ったことではありませんが、動画広告を制作するときはターゲットと目標を明確にすることが大切です。
ターゲットとなる人物は20代なのか、40代なのか、男性なのか、女性なのかによっても興味のあるコンテンツが異なります。
このターゲットの定義が曖昧だと誰にも響かずに、コストだけがかかり充分な目的を達成することは難しいです。
また、SNSの利用者層も年齢別に異なり、Instagramの場合は10代〜30代の女性中心、Tiktokは10代~20代中心、Facebookは30代〜50代が多く活用しています。
そのため、動画を配信するコンテンツを誤ると成果を得ることができなくなるため注意が必要です。
訴求の内容がブレないように事前にしっかり決めてから動画広告制作に進みましょう。
クリエイティブを複数パターン使う
同じような動画を繰り返し使っていると、ユーザーに飽きられてしまい動画の視聴回数や視聴時間が伸びずに停滞してしまいます。
訴求内容は同じだとしても、動画のパターンを変えることで、ユーザーに飽きられずにCV獲得を目指せます。
また、自社で担当している場合はどうしても似たパターンの動画広告となってしまうため、動画制作を外注するのも一つの選択肢です。
改善を繰り返す
動画広告は実際に流して終了というわけではありません。
それでは効果を最大限引き出すことは難しいです。
動画を流した後は効果検証を出来る状態にしており、改善を繰り返しを行うことが大切です。
この時に、有効なのはABテストです。
ABテストはバナーや広告文、Webサイトなどを最適化するために実施するテストの一つで、広告の効果改善において必須のプロセスです。
ABテストを繰り返し行うことで着実に動画広告の効果の高いクリエイティブを目指すことができるようになります。
動画広告市場は今後も拡大する!
動画広告市場が拡大している要因や市場の動向と動画マーケティングで成功するポイントなどについて詳しく紹介してきました。
動画市場広告は近年急激に増加しており、今後も拡大していく見込みです。
そんな中、動画広告を流すだけでなく、効果的なマーケティングを実現するにはさまざまな戦略を展開する必要があるでしょう。
これから動画広告を制作する際には、本記事を参考に効果的な動画広告の制作を意識してみてください。
下記の記事にて動画広告の作り方と失敗しない制作のコツをまとめていますので、参考にしてください。